圏央所沢病院 療養病棟の紹介 至仁会の運営する入居施設と連携し、通院透析をより快適に!
圏央所沢病院の透析センターでは、介護老人保健施設「遊(ゆう)」や有料老人ホーム「憩(いこい)」に入居している慢性透析患者さんの生活をサポートしています。どちらの施設も、透析センターから車で数分という近距離にあり、日曜日を除く毎日運行する送迎車も利用できます。高齢の透析患者さんの受け入れについて、理学療法士のキャリアを持つ新保さんが、透析センター統括の志賀副部長に聞いてみました。
高齢者透析サポートチームを設置
新保:まず、透析センターの概要を簡単に教えてください。
志賀:はい。当院の透析センターは2018年4月に現在の場所へ移転し、44床から112床になりました。患者さまに寄り添った透析医療をモットーに、さまざまな取り組みを行なっています。全国に約34万7千人の慢性透析患者がいて、その平均年齢は69.4歳(2020年のデータ)です。一方、当院の約230人の透析患者さまの平均年齢は71.2歳で、全国平均よりも高めになっています。
新保:超高齢化社会に伴い、平均年齢が年々上がり続けているそうですね。
志賀:この状況に対して、当センターでは看護師と臨床工学技士(ME)6人ほどで「高齢者透析サポートチーム」を結成し、高齢の患者さま特有の問題解決に取り組んでいます。透析センターにそういったチームがあるのは、めずらしいことかもしれませんね。
新保:具体的にはどのような取り組みを行なうのですか? 志賀:やはり高齢の透析患者さんにとっては、日々服用しなければならない薬のほか、水分や食事の管理が大変なので、ケアマネージャーやご家族を巻き込んで管理していく“体制作り”を支援しています。そのほか、高齢者透析に関する学会や勉強会にチームメンバーが参加して、重要な情報は当センターのスタッフにも共有してもらっています。
施設と透析センターの連携を強化
新保:なるほど。その点「憩」や「遊」に入居している透析患者さまは、施設の職員が薬の管理を手伝いますし、食事は栄養士さんが献立を考えているので、安心感がありますね。
志賀:そうですよね。一般的な透析食はかなり薄味なので、ただでさえ食欲が落ちていく高齢の方は、残してしまうことが少なくないといいます。そんな状態が続くと、今度は低栄養のリスクが高くなり、それはとても危険なことです。
当センターは、月に数回の採血などで確認する透析患者さんの検査結果などを、「憩」や「遊」のスタッフ経由で担当の栄養士さんにも伝えているので、その点も安心につながるのではないでしょうか。
新保:透析患者さんの受け入れが厳しいという高齢者入居施設が多いのは、そういったケアをスムーズに行うのが大変だからでしょうね。
志賀:慢性透析患者の場合、週に3回約4時間の人工透析を受けなければならないので、車イスを使用している方は、透析通院だけでもかなり大変ですからね。その面でも「憩」「遊」と透析センターにはメリットがあります。どちらの施設も徒歩圏内にあるので、もし透析を受ける入居者さまの体調が悪いときは入居施設のスタッフが当センターまで同伴し、透析後の血圧変動で体調が悪くなった入居者さまには当センターのスタッフが付き添って帰ることもあります。
慢性透析患者の生活の自立にも注力
新保:ほかにも、毎回4時間ほどかかる透析中に、高齢の方はリハビリを行っていると聞きました。
志賀:はい。高齢の透析患者さんに「はい・いいえ」で答えていただくフレイルチェックというものを実施して、体重・疲労感・日常の活動量・歩行速度・握力を中心に状況を把握しています。その結果を用いて、主に下半身を使うリハビリを透析中に実施するという形です。
新保:なるほど。横になっていても使えるエルゴメーター(自転車のペダルをこぐような運動機器)やティラピスボール(小さくて柔らかいボール)でトレーニングしているのですね。
志賀:トレーニングは当院の理学療法士が担当します。患者さまのフレイルチェック結果や体調などをみてグループ分けして、集団トレーニングも行っていますよ。下半身のトレーニングで足腰が鍛えられれば日常生活の自立を促すことができ、さらに透析中の血圧が下がりにくくなるのもメリットです。
新保:透析中のトレーニング、私も応援します。今日はいろいろ教えていただき、ありがとうございました!
圏央所沢病院 透析センターの主な特徴 オンラインHDF導入:全台、オンラインHDFに対応 シャント管理:当センター内でのシャントPTAなど 運動療法:リハビリの専門スタッフが担当 フットケア:専門チームが患者さまの足をお手入れ 個室透析:プライベートな空間での透析も可能 食事管理:栄養管理チームがサポート 送迎バス:ご自宅と透析センターの間を無料送迎 |