透析患者一人ひとりの人生に寄り添う看護を

透析患者一人ひとりの人生に寄り添う看護を

新保
新保:看護師の目線で、いろいろ教えてください!
河村
河村:わかりました!よろしくお願いします。

Jin 2号でもご紹介した、圏央所沢病院の透析センター。医師、臨床工学技士(ME)、看護師、看護助手、医療事務員の5職種がワンチームとなって運営しています。今回は、同センターの看護師長・河村さんに、透析の現場についてお話を伺いました。

透析中に行う多様な看護業務

新保:圏央所沢病院・透析センターの看護はどのような感じでしょうか?

河村:患者さまの透析が始まると、問診や処置も開始します。当院では、患者さま1人に担当スタッフが1人付き、ADL・食事摂取・服薬などの状況確認、血液データや胸部レントゲン・エコーなど各種検査結果の分析、さらに当日の体調や、患者さまの性格などを考慮して医師に治療の提案を行います。より身近な関係である担当スタッフが、患者さまの細かなところまで把握しているので、医師に提案できることもたくさんあります。ほかにも、患者さまの透析中はやるべきことがたくさんありますので、時間はあっという間に過ぎてしまいますね。

新保:現在どのくらいの患者さまが透析センターを利用していますか?

河村:約200人の透析患者さまが当センターに通っています。午前の部、および午後の部にそれぞれ50人前後の患者さまがいて、1日100人くらいの患者さまの透析を行っているという感じです。また、当院の透析センター1階部分は、60床の外来透析専用フロアであり、そのうち4床は完全個室です。

個室に関しては、プライベート透析やインフルエンザ対策のために確保されていたのですが、現在はコロナ陽性患者と濃厚接触者、その疑いがある患者さまを隔離するためにも使用しています。ご存知のように、この数年はコロナ感染対策も重要な業務。私も新たに発足された「感染対策チーム」の一員として、対策方法を提案したり実践したりしています。

チーム単位で課題に取り組む

新保:「感染対策チーム」以外にもいくつかのチームがあり、多職種のスタッフが協力して、さまざまな取り組みを行っているのですよね。

河村:はい。看護師も各チームで活躍しています。例えば「フットケアチーム」では、看護師の基礎知識が存分に生かせます。もう少し詳しく説明すると、長期間透析を行っている患者さまは、全身の動脈硬化が起こっている可能性が高く、血流が悪くなると足に潰瘍ができる恐れもあります。なかでも糖尿病の患者さまは、網膜症のため足が見えにくい方もいて、爪を切るときに傷ができてしまうことも。また、神経障害が出ている方は足の痛みに気付けないことがあります。そのため、透析患者さまの足を診させていただき、お話を伺いながらケアします。

新保:なるほど。患者さまのために毎月発行されている、透析センター便り「やまざくら」にも、フットケアについて詳しい説明がありましたね。

河村:その「やまざくら」も担当チームが作成しています。ほかにも、運動療法チームが発行する「ひやしんす」というお便り、当センターのスタッフ向けに作成される資料もありますよ。

連携して透析患者さまをサポート

新保:透析患者さまへの情報発信だけでなく、センター内での情報共有も活発なのですね。患者さまの中には、圏央所沢病院の療養病棟、至仁会の有料老人ホーム「憩(いこい)」や介護老人保険施設「遊(ゆう)」から通われている方もいますが、そちらとの連携はいかがでしょうか?

河村:院内では同じシステムを使っているので、電子カルテで患者さまの状態が確認しやすく、週に1回開催されるカンファレンスの際に、療養病棟の看護師に気になる患者さまの食事状況などを直接聞くこともできます。また「憩」や「遊」の患者さまに関しても、お互いに聞きたいことがあれば電話で相談できます。

そのほか、透析患者さまがご自宅で骨折してしまい、手足が痺れるなど脳卒中の疑いがある場合、透析前に脳神経外科の専門医に診てもらえるというメリットがありますね。「同じ病院なので安心した」という患者さまもいました。

新保:同じ法人の施設間や、院内のコミュニケーションが密なのは、患者さまにとってプラスですね。それでは最後に一言お願いします。

河村:透析患者さまと看護師は週に3回お会いして、お話しもします。高齢の患者さまの中には、若い看護師を孫のように見守ってくれる方もいて、自然とアットホームな雰囲気になります。私たちは今後も、患者さまのご家族やケアマネージャーさんとも協力して、皆さまがより良い生活を送れるようにサポートしつづけます!

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。