透析患者の入所にも対応できる老健「遊」
至仁会が運営する介護老人保健施設 遊(ゆう)には、定員80人の入所施設と、定員130人の通所施設(デイケア)があります。今回は、人工透析患者の週3回の通院もサポートできる「遊」の入所施設について、理学療法士のキャリアを持つ新保さんが、同施設の入所管理者である溝渕(みぞぶち)さんに、お話を伺いました。
入所相談時から透析センターと連携
新保:入所という形で透析患者さまを受け入れられる老健は、全国的にみても少ないそうですね。
溝渕:はい。そのため、近隣の都県からもお問い合わせをいただいています。その場合は、まず同法人の圏央所沢病院・透析センターに受け入れ可能であるかを確認します。その結果を受けて、当施設側への入所を調整していきます。もし、透析を受けている病院と、入所する老健が連携していない場合は、ご自身やご家族が、病院と入所先のそれぞれに連絡をして調整しなければなりません。私たちにご連絡をいただければ連絡先を一本化できるので、それはメリットのひとつですね
新保:そして、透析センターは道をはさんで向こう側にあるので、透析患者さんの利便性が高いですね。
溝渕:そうなのです。ご存じのように、透析患者さんのほとんどは週3回、人工透析を行う病院やクリニックへ通う必要があります。施設に入所すると、透析通院のためにヘルパーを導入するケースがあり、入所にかかる費用が増額になる場合もあります。その点、当施設の入所者さまは、同法人が月曜日から土曜日まで毎日運行している無料送迎車を利用して透析に通えます。さらに、両施設の看護師の情報共有も適切に行われるので、入所者さまの体調管理がしやすい状態です。現在は6人ほどの入所者さまが同センターで透析を受けていますよ
レスパイト・ケアにも対応
新保:また近年は、介護・介助する側の負担も社会問題になっていますよね
溝渕:そうですね。当施設は、介護者の負担を軽減するためのケア、いわゆる「レスパイト・ケア」にも対応しています。日々の介助や通院透析の送迎などに疲れてしまった、あるいはリフレッシュしたい介護者さまが、一時的に体や心を休めていただくために老健を利用するというものです。老健では、長期入所だけでなく短期入所の方も、リハビリなどのサービスを受けることができます。そのため、ケアマネジャーさんに相談して「レスパイト入所」を利用すれば、介護・介助する側も心身ともに健康な状態を保てるのではないかと考えています。
新保:大事なことですね。一方、老健の入所期間が終了しても自宅で訪問介護などのサービスを受けられますが、透析通院の送迎に関しては、もしご家族などが送迎できなくなった場合、解決策はありますか?
溝渕:私たちは、同法人の「有料老人ホーム 憩(いこい)」をご紹介しています。「憩」は老健のように期限が設けられていない入居施設です。当施設同様、透析センターへの無料送迎車も利用できるので、透析に通いやすい環境でもあります。実際に「遊」の入所施設から「憩」へ移られる方もいらっしゃいますよ。
ダブルチェックで安心感も
新保:なるほど。理解が深まってきました。
溝渕:もうひとつ、お伝えしたいことがあります。当入所施設には常勤の医師や看護師がいて、定期的に入所者さまの健康状態をチェックしています。透析患者さまの場合は、病院側の担当医の診察もあるので、医師がダブルチェックしている状態になり、看護師の連携も蜜なので、安心感が大きいと言えます。
新保:それもメリットですね。今日はいろいろ教えていただき、ありがとうございました!