緊急手術に迅速に対応できる人材と環境

緊急手術に迅速に対応できる人材と環境

現在、圏央所沢病院には3か所の手術室と、2か所の血管内治療室があります。そこでは、脳神経外科、脳血管内治療科、整形外科、消化器外科、泌尿器科、眼科、血管外科、循環器科、形成外科、美容外科の手術を、年間1800件ほど行っています。今回は、同院手術室の看護師長である風間さんに、手術室(以下、オペ室)について教えていただきました。

動線にこだわった5か所のオペ室

ーまずオペ室の概要を教えてください

ーはい。当院には血管内治療室を含めて5か所のオペ室があります。そして当院は救急指定病院なので、常時さまざまな手術に対応できる状態になっています。また、入院している患者さまの予定手術も少なくありません。そのため全てのオペ室が、患者さまとスタッフの動線を考えて設計されています。

ー風間さんはどのくらいオペ室に関わっているのですか?

ー約5年になります。私たち看護師以外にオペ室に所属しているのは、麻酔科医の数名です。そのほか、脳神経外科医や外科医が日々オペ室を使用しており、必要に応じて放射線技師や臨床工学技士に協力してもらうという運用形態になっています。

『患者ファースト』のチーム医療

ー圏央所沢病院のオペ室の特徴は?

ー当院は脳卒中センターを併設しており、1秒でも早い治療が望まれる脳梗塞の患者さまに対して、脳血管に詰まった血栓をカテーテル手術によって回収する「血栓回収療法」を実施することが可能です。そのためオペ室の看護師は、脳卒中の疑いがある患者さまが救急車で運ばれて来ると、すぐに容体を確認しに行きます。その報告を受けて、担当の医師が全体を指揮します。当院のチームワークはとても良好なので、スムーズに手術や治療ができていると自負しています。

ーなぜチームワークがよいと思いますか?

ひとつは当院の規模が関係していると思います。医師を含め医療スタッフの数がさほど多くないので、他職種のスタッフともほぼ顔見知りです。日ごろからコミュニケーションが活発なので、意思の疎通が図りやすいのではないかと。 さらに当院では、患者ファーストのチーム医療が浸透しています。手術に関しても、医師のコントロール下で手術を進めますが、オペ室の中で上下関係などは意識することなく、全てのスタッフが患者さまを中心に動いているのです。

一人ひとりに寄り添う術前訪問

ーオペ室の看護師の重要な仕事は?

ー私たちは、院内の患者さまの手術前に「術前訪問」を行います。手術に関しては、医師から患者さまに詳しい説明があるのですが、それに対して質問できない患者さまが少なくありません。そんな患者さまの不安な気持ちを解消するのが、看護師の術前訪問です。外科医やオペ室の看護師にとって、手術は日常のこと。しかし、多くの患者さまにとって、手術は一生に一度あるかないかのこと。患者さまの中には遺書を用意されている方もいます。そのため、私たちは術前・術後にできるだけ安心してもらえるよう努力します。

ーなるほど。ほかにも心掛けていることはありますか?

ー手術中の仕事は、例えばメスを渡すなど、ある程度すべきことが決まっています。その一方、患者さま一人ひとりの状況は違うので、常に異なる看護が要求されるのです。術前の情報共有などで、既往歴や現在使用している薬はわかっているので、医師の指示待ちではなく、準備できる範囲のことは積極的に進めます。

安全安心なオペ室を維持する

ーそれでは最後にひと言お願いします。

ー誤認手術を防ぐために、お話しできる患者さまには手術前に何回か名前確認をするのですが、緊張のあまり間違えてしまうということも。そんなオペ室特有の圧迫感を取り除くために、真っ白な壁をキャラクターで装飾したり、季節に合わせてライティングしたり、音楽をかけたりしています。

手術前に緊張しない患者さまはいないと言えるでしょう。そのため私たちは、できるだけリラックスできる空間づくりを目指しています。また今後も、安全な手術を行うことができるオペ室を維持するべく、スタッフ一丸となって取り組んでいきます。

ー本日はいろいろお話いただき、ありがとうございました!

2023年4月、圏央所沢病院にて。

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。