放射線科は院内の「縁の下の力持ち」的な存在

放射線科は院内の「縁の下の力持ち」的な存在

圏央所沢病院には放射線科があり、病気やケガの状態を知るために使用されるレントゲンなど、さまざまな医療機器を扱っています。放射線科では、具体的にどのようなことをしているのでしょうか? 診療放射線技師長の上田徹さんにお話を伺いました。

今回お話を伺った上田係長

正確な医療画像を提供

―まず放射線科のお仕事について教えてください。

はい。放射線科では、医師が病気の診断や治療効果の判定などをするために、さまざまな検査を行っています。そこに所属する私たち診療放射線技師の仕事は、エックス線(以下、X線)・CT・MRIなど放射線や強い磁力を使って医療画像を撮影することです。

現在、当院の放射線科には12人の診療放射線技師がおり、診療放射線技師を目指す学生さん数名も助手として手伝ってくれます。通常の診療時間内だけでなく、24時間365日、深夜の脳卒中の患者さんなど急患にも対応できる体制を整えています。

健康診断でお馴染みのX線撮影装置、いわゆるレントゲンのほか、状況に合わせて撮影装置を使用します。ご存じのようにⅩ線は放射線の一種なので、装置の管理や、患者さんの被ばく管理も重要な業務です。さらに、手術中に骨・臓器・血管などを観察するための「Cアーム外科用X線発生装置」の操作なども行います。


最新鋭の撮影装置を導入

―圏央所沢病院の放射線科で使用する装置を簡単に教えていただけますか?

それでは、よく使用する装置をいくつかご紹介します。
X線撮影装置:主に胸部・腹部・骨の状態をみるためのX線写真を撮ります。またX線TV装置は体内をリアルタイムで観察でき、胃・大腸・骨の形状や病態を調べるものです。胃透視では、患者さんにバリウムなどの造影剤を服用してもらい、食道・胃・十二指腸・小腸などの状態を観察します。

CT装置:こちらもX線を使用する装置で、連続する輪切りの画像を撮影できます。CT装置は短時間で広範囲の撮影が可能なので、肺や消化管など体内で動きのある器官を撮影するのにも向いています。当院にある2台のCT装置のなかでも、昨年(2020年)5月に導入した最新鋭の256列マルチスライスCT装置は、心臓冠動脈の撮影など循環器科の診療で活躍中です。

MRI装置:強い磁力を利用して体内の臓器や血管などを撮影できる装置で、造影剤を使用しなくても血管の撮影ができるという特徴があります。また放射線を使わないため、被ばくの心配はいりません。CT装置と比べると撮影に時間がかかるので、動きが少ない器官の撮影に適しています。当院の「脳ドック」でもMRI検査を行い、脳梗塞や脳腫瘍の早期発見につなげています。
またMRI装置の中は狭く撮影中は独特な音がするので、閉所が苦手な方には辛い検査となります。そこで当院にある最新鋭の3テスラMRI装置には、アンビエント機能というものを搭載して、映像や音楽でのリラックス効果を図っています。

血管撮影装置:最新鋭の3D-DSAシステムを導入しており、脳や心臓の血管をより高精度・高密度で映像化することができます。たとえばCTやMRI検査の結果、カテーテル手術が必要になったときに、この装置が活躍します。また頭部や頚部(首のあたり)などの患部を切開することなく、動脈瘤の治療や頸動脈ステント留置術などの手術が行えるので、患者さんの時間的・体力的負担も軽くなります。



患者さんの「安心」のために

―それでは最後に今後の目標などを教えていただけますか?

はい。医療機材はとても進化が早いので、今後も正確な医療画像を撮影するために技術や知識の向上を心がけます。また、患者さんから被ばくに関する質問を受けることもありますので、丁寧な説明で不安を取り除けるように、安心して検査を受けてもらえるように、放射線科全員で取り組んでいきます。


―今回お話を伺い、放射線科は院内の「縁の下の力持ち」的な存在だと感じました。いろいろ教えていただきありがとうございました!

2021年9月、圏央所沢病院にて。

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。