心も体も健康であり続けるための「道」
月2回発行している「至仁会通信」は1周年を迎え、今回ご紹介する「リハビリテーション 道」は2回目の登場です。前回と大きく変わった点があるのでしょうか? 今回も所長の高野さんにお話しを伺いました。
リニューアルでより快適な空間
―約1年前の至仁会通信(2号)でご紹介したときは拡張工事中で、2021年6月に床面積が約2倍になるとのことでしたよね。
はい! 以前よりも広いスペースでリハビリやトレーニングを行っていただけるようになりました。元々大きな窓が多くて開放的な空間でしたが、グループで体操を行うときに「前よりものびのびと体操できるようになった」という声をご利用者様からも聞いています。
そのほか出入口付近のロッカーや、休憩・食事をとっていただくスペースなどが新しくなり、滑りにくく歩きやすい床材や最新のマッサージチェアーも導入しました。休憩スペースに新設した棚には、脳卒中の後遺症などで手に震えがある方も持ちやすい箸や、倒れにくい形状の茶碗などの「自助具」を展示して試していただけるようにする予定です。


―そうなんですね。トレーニングマシンなども増えたのですか?
下半身の筋力を強化できるということで人気のある「レッグプレス」や、全身を使った有酸素運動ができる「ニューステップ」などの台数が増え、筋力だけでなくバランス感覚や柔軟性など身体機能全体の向上を期待できる「キネシス」というトレーニング機器も導入しました。
また屋上もリニューアルされ、テニスコート一面分ほどの面積に新しい人工芝が張られたので、天気の良い日はそこでウォーキングを行います。もし雨天でも、施設内を1周するコースを歩けば100メートルほどの距離になるので、歩行トレーニングは全天候型で対応可能です。


もちろんコミュニケーションも重要
―なるほど。リハビリや趣味の活動などの内容は変わりないでしょうか?
そうですね。ロボットと呼ばれる機器を装着してもらい、しびれや麻痺がある方の動きを反復運動により改善を図る「ロボットリハ」などを引き続き行っています。
また職員が考えた課題にチャレンジしてもらう「王座決定戦」も続けています。これは個別に競うことが目的ではなく、知らない方とのコミュニケーションを深めてもらうことが大切です。リハビリテーションという概念を考えると、体を動かすトレーニングだけではなく、やはり人とのつながりも重要になります。
新しいコンセプトを持った施設
ーそれでは最後になりますが、今回初めて至仁会通信を手にされる方向けに「リハビリテーション 道」の概要、さらに今後の目標などを教えていただけますか?
はい。「道」は社会医療福祉法人至仁会が2010(平成22)年に開所した介護保険施設で、現在は1日約100名の方が利用されています。対象者は介護認定の要支援・要介護を受けていて、ご自身でトイレに行ける程度の方になります。
そして10月から、開始時間の変更はなく、ご利用時間を30分延長します。滞在時間が3時間30分となり、現在よりも30分長くなりますが、ご利用料金は変わりません。理学療法士や作業療法などリハビリの専門職が担当する個別リハビリのほか、ご自身の好みに合わせて行ってもらう趣味の活動やグループ体操など多彩なメニューを用意しています。
私たちが目指しているのは、
・お一人おひとりの身体状況に即した
・それぞれの生活環境に合わせた
・安全面に十分配慮した
・人とのつながりを大切にした
「シルバー世代のスポーツジム」というスタイルです。
これまでの老人介護施設的なイメージを変え、介護保険を利用するみなさまが快適にすごせるリハビリ空間になるよう、スタッフ全員で取り組んでいます。また食事の調理スペースも新設され昼食がより美味しくなったので、それも楽しみにしていただければと思います。

―よく分かりました。今回もいろいろお話しいただきありがとうございました!
2021年8月、「よしかわ通所リハビリテーション 道」にて。