一人でも多くの方の健康を願っています
圏央所沢病院の健康管理課は、一般的な健康診断や企業健診のほか、人間ドック、脳ドック、複合ドック、前立腺ドックに関する業務を担当しています。今回は、同課副主任の冨合さんに、主な仕事や健診・ドックについてお話しいただきました。
大病を未然に防ぎたい
―まず、健康管理課の主な仕事について教えてください。
私たちは、健診や人間ドックの受付から、受診前のご案内、当日のご案内や測定、結果の郵送まで行っています。現在は職員6人、医師1〜2人という体制で業務を担っています。職員の仕事は、いわゆる医療事務になります。
―どのような点が大変でしょうか?
すべての業務でミスのないように気を付けていますが、なかでも検査結果入力ソフトに保存したデータが正しいかどうかを、複数人で何度もチェックしています。もし間違いがあると、正しい診断ができなくなりますよね。 私たちの目標のひとつは、受診者数を増やすことによって、大病の患者さまを減らすことです。当院は脳卒中センターを併設する救急病院ということもあり、脳ドック・ライトのようなコースを作って、より受診しやすくなるように取り組んでいます
ゆったりと受診できる環境
―なるほど。実施しているドックについて、簡単に教えてください。
はい。人間ドックは基本的に半日コースです。一般的な健診で行う検査のほか、腹部の超音波(エコー)検査、呼吸器系の検査、上部消化管造影検査などを行います。オプションで、食道・胃・腸などの内視鏡検査、胸部や腹部のCT検査、心臓や頸動脈の超音波検査、動脈硬化の検査などがありますので、気になるところは念入りに調べていただけます。
脳ドックには、ライト・A・Bの3コースあり、それぞれ検査項目数が異なります。すべてのコースで共通しているのが、頭部MRI・頭部MRA・頸部MRAの3つの検査で、それぞれの検査結果を脳神経外科医が精査して、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・脳腫瘍などのリスクがないかを確認します。
複合コースは、人間ドックと脳ドックを併せた内容になります。そのほか、近年、患者数が増えている「前立腺がん」の早期発見を目的とした、前立腺ドックもあります。
―圏央所沢病院でドックを受けるメリットはありますか?
まず、各検査をゆったりと受けていただけるのがメリットだと思います。受診者数を調整して、お一人おひとりに適度な時間をかけられるようにしているので、せわしない雰囲気ではありませんよ。
また、医師の所見が「要治療」であった場合、院内ですぐに内科などの受診に移っていただけるのもメリットだと思います。治療が必要だとわかっていても、痛みなどがない場合は少し時間が経つと億劫になってしまうものです。
病気を見逃さないでほしい
―早めに治療を開始できれば、軽くて済む場合が多いのですよね。
そうなのです。当院で何度か健診やドックを受けていただき、食生活の見直しや、適度な運動をおすすめしても、数値的な改善が見られない方が少なくないという現実があります。なかでも、血圧がかなり高いのに放置される方が多く、脳卒中などのリスクがとても高いので心配です。
―脳卒中は突然発症すると聞きますので、心配ですね。
当院には脳卒中センターがあり、その患者さまが多数いらっしゃいます。私たちも脳神経外科の専門医から、脳卒中のリスクについて学んでおり、それを未然に防ぐために健診やドックの結果を生かしてほしいと考えています
血圧やコレステロール値が高い、喫煙される、お酒をよく飲む、そしてご家族に脳卒中で倒れた方がいるなど、脳卒中の危険因子がある場合は、年齢に関係なく脳ドックを活用していただければ幸いです。
健康管理の一翼を担いたい
―それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
ここ数年のコロナ禍で、以前のように外出しないことによる運動不足が心配されている一方、当院の健診受診者さまを見ると、意識的に運動をしている方が増えていたり、お酒を飲む機会が減ったりして、検査結果が良くなっている方もいます。
コロナは早く収束してほしいものですが、今後もご自身の健康を気遣う方が増えてくれれば幸いです。もし体調に不安があれば、外来にてお気軽にご相談ください。
―本日はいろいろお話いただきありがとうございました。
2022年8月、圏央所沢病院にて。