「おいしい食事」で健康に、元気になってほしい

「おいしい食事」で健康に、元気になってほしい

圏央所沢病院・栄養科のご紹介です。栄養科では、患者さん全般の栄養管理のほか、入院患者さん、および職員の食事提供も行なっています。今回は科長の藤田さんにお話を伺いました。

栄養だけでなく多様性も大切

まず栄養科について教えてください。

現在、栄養科には病院に4名、施設に4名の管理栄養士がいて、病院で治療している患者さんや、施設の利用者さんに関わっています。病院の仕事は「栄養指導に関するもの」と「食事提供に関するもの」に大きく分けられ、患者さんの入院期間が短縮できる安全な食事提供を目標にしています。

栄養指導では、医師の診断を受けた患者さんと、病状に合わせた食事を一緒に考えます。その際、患者さんの食生活や好みなどを伺い、気を付けるべき点をお伝えして自ら食事や生活習慣を見直せる状態を目指します。現在、月に70件ほどの指導を担当しています。

至仁会的な特徴はあるのでしょうか?

介護老人福祉施設「遊」や有料老人ホーム「憩」、職員の子どもを預かる保育施設など、関連施設で提供する食事やおやつも担当しています。そのため、当栄養科の特徴は、0歳児から90代まで対応するという幅の広さですね。

院内では、朝昼夕の3回、1回あたり150食ほど準備します。私たちは食事の形態や栄養面を中心に担当し、食材の調達や調理は業者さんに依頼。また、ご自身の口から食事を取れない患者さんも30人以上いらっしゃるので、経管栄養剤の管理や、投与計画も行っています。

入院中のお食事とはいえ、患者さん一人ひとりの嗜好にもできるだけ添えるように努力しています。なかには、アレルギーの問題や個人的なご都合で食べられないものがある方もいるので、聞き取りも重要です。

症状に合わせた適切な食事を

お食事の内容を一部教えてください。

たとえば、人工透析を行なっている患者さんには栄養量と水分量を調整した透析食、糖尿病の患者さんにはエネルギーコントロール食、消化器系の患者さんには消化の良い潰瘍食(かいようしょく)などを提供します。脳卒中の後遺症でまひが残っている患者さんには、リハビリを担当している言語聴覚士の意見を聞き、流動食・ペースト食・刻み食などを用意します。

私たちが担当する範囲は主に栄養面であり、三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)のバランスでコントロールします。食事のメニューに関しては、厨房の栄養士・調理師さんが、旬の食材を取り入れて具体的に考えてくださるので、その内容を確認しています。

また、医師や管理栄養士のほか、看護師・薬剤師・臨床検査技師が協力して、栄養を十分に摂れていない患者さんに対応する「NST(栄養サポートチーム)委員会」「褥瘡(じょくそう)委員会」と協力して、患者さんの栄養面の改善を図っています。

※褥瘡とは:いわゆる「床ずれ」のこと

厨房の皆さんの協力あっての食事提供

特にどんな時が大変でしょうか?

院内では、当科の管理栄養士だけでなく、調理に携わる栄養士・調理師・パートの方もシフト制で常時厨房に20人ほどいて、全員の協力体制によって院内の食事を365日、3食提供しています。

この数年のコロナ禍では、ご家族が感染して濃厚接触者になることもあり、突然人手不足になってしまうことも。院内担当の管理栄養士が、他施設に出向して対応する場合もあるので、通常よりも少ない人数で業務をこなすのは大変です。

お仕事のやりがいは?

栄養士・管理栄養士になりたいと思うきっかけは、「自分の作った食事をよろこんでもらえたこと」と言う人が多いですね。仕事のやりがいは、治療だけでなく食事の成果もあり、患者さんが元気になった時に感じます。おいしい食事を提供するために、出汁や薬味なども工夫していますので、残さずに食べてもらえると素直に嬉しいです。

安心安全な食事を楽しんでもらう

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

はい。私たちは「患者さんに栄養の指導をする」というよりも、「患者さんと食事の作戦会議をする」という形で接しています。退院した後も毎日食事は必要なので、「自分で考えて、自分で実行する」ことが重要です。

今後も至仁会の病院や施設にて、安全で安心な食事を提供しつづけますので、楽しんでいただければ幸いです。

本日はいろいろお話いただきありがとうございました!

2022年3月、圏央所沢病院にて。

お食事の内容を一部教

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。