Yearly Archives: 2021

ご自宅で受けるオーダーメイドのリハビリテーション

今回は「社会医療法人至仁会 よしかわクリニック 訪問リハビリテーション」の管理者・鈴木大介さんに、訪問リハビリテーションとはどのようなサービスなのか、またサービスを利用できる方についてお話しを伺いました。

今回お話を伺った鈴木主任

ご利用者様の自宅で行うリハビリ

―訪問リハビリテーション(以下、訪問リハビリ)はどのようなサービスなのでしょうか?

まず「日常生活の自立を図る」ために、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など身体動作の専門家がご自宅を訪問し、さまざまなリハビリを行います。また「家庭や社会参加の向上を図る」ために、ご自宅の家事や行事に参加、さらに外出して買い物や地域活動に参加するのに必要な動作を、私たちも把握して一緒に練習します。

訪問リハビリを一言で説明すると、「ご利用者様の自宅に伺って、日常生活の自立と家庭や社会参加の向上を図るサービス」です。

といった説明ではピンとこないかもしれませんので、私たちが実際に行っていることを具体的に紹介しますね.

(1)身体状態の確認ご利用者様の自宅で、血圧測定や指先で酸素飽和度などを測定するほか、視診・問診でお体の状態を確認します。

(2)身体・言語の機能訓練 体調にあわせて、関節可動域訓練・ストレッチング・筋力増強訓練、嚥下(えんげ)や視聴覚に関する訓練など適切なトレーニングを行います。

(3)日常生活動作(ADL)の練習起きる・寝る・立つ・座る・歩く・トイレに行く・入浴する・階段を利用する・家事を行うなど、生活に必要な動作を練習します。

(4)自主トレの指導やアドバイス各ご利用者様に適した運動を考えて、日々のトレーニングをご提案します。そのあとも進捗確認をして強度を変えたり、改善点を加えたりします。

(5)生活環境の調整リハビリの専門家がご利用者様の動きを確認したうえで、ご自宅内の手すりや杖など福祉用具を提案して、生活環境をより快適にします。

(6)相談ご利用者様自身の相談のほか、介助・介護するご家族の疑問や悩み、訪問リハビリ全般に関するご相談にのります。

さまざまな方がリハビリの対象者

ーなるほど。そのサービスはどなたが利用できるのでしょうか?

現在、訪問リハビリを利用されているのは、次のような方々です。

・外出できるようになりたい方・屋内外での転倒を予防したい方・体力を維持・増進させたい方・ご自宅での生活を続けたい方・食事のときにムセてしまう方・運動を習慣化させたい方・身体の相談をしたい方

在宅でのリハビリを希望する方を私たちは支援します。

介護保険で訪問リハビリをご利用いただくには、介護認定を受ける必要があります。介護認定に関しては「地域包括支援センター」や市役所の担当部署にお問い合わせください。すでに要支援1・2の認定を受けている方は「地域包括支援センター」に相談、要介護1~5の方は担当のケアマネージャーさんにご相談ください。

私たち「よしかわクリニック 訪問リハビリテーション」が訪問している範囲は、主に所沢市と入間市、さらに狭山市と東村山市の一部になります。

お気軽にお問合せください

ーよくわかりました。やはり利用料金も気になります。

そうですよね。事業所やご利用者様の保険内容、また利用回数や時間によって異なりますが、目安となる料金は以下のようになります。

リハビリ1回(40分)あたりの目安料金:1割負担:650円/2割負担:1300円/3割負担1950円

リハビリ1回(60分)あたりの目安料金:1割負担:1000円/2割負担:2000円/3割負担3000円

ーそれでは最後に一言お願いします。

ご利用者様の生活環境に合わせたリハビリ、つまりオーダーメイドのリハビリをご提供します。また私たちリハビリ専門家は、ご利用者様の暮らしぶりや生活のリズムを確認しながら、より身近な存在になれるように今後も努めていきます。

そのほか疑問点やご興味があれば、電話でもお気軽にお問合せください。

◆よしかわクリニック 訪問リハビリ 電話:04-2938-1132◆

ーいろいろ教えていただき、ありがとうございました。

2021年9月、よしかわクリニックにて。

心も体も健康であり続けるための「道」

月2回発行している「至仁会通信」は1周年を迎え、今回ご紹介する「リハビリテーション 道」は2回目の登場です。前回と大きく変わった点があるのでしょうか? 今回も所長の高野さんにお話しを伺いました。

リニューアルでより快適な空間

―約1年前の至仁会通信(2号)でご紹介したときは拡張工事中で、2021年6月に床面積が約2倍になるとのことでしたよね。

はい! 以前よりも広いスペースでリハビリやトレーニングを行っていただけるようになりました。元々大きな窓が多くて開放的な空間でしたが、グループで体操を行うときに「前よりものびのびと体操できるようになった」という声をご利用者様からも聞いています。

そのほか出入口付近のロッカーや、休憩・食事をとっていただくスペースなどが新しくなり、滑りにくく歩きやすい床材や最新のマッサージチェアーも導入しました。休憩スペースに新設した棚には、脳卒中の後遺症などで手に震えがある方も持ちやすい箸や、倒れにくい形状の茶碗などの「自助具」を展示して試していただけるようにする予定です。

―そうなんですね。トレーニングマシンなども増えたのですか?

下半身の筋力を強化できるということで人気のある「レッグプレス」や、全身を使った有酸素運動ができる「ニューステップ」などの台数が増え、筋力だけでなくバランス感覚や柔軟性など身体機能全体の向上を期待できる「キネシス」というトレーニング機器も導入しました。

また屋上もリニューアルされ、テニスコート一面分ほどの面積に新しい人工芝が張られたので、天気の良い日はそこでウォーキングを行います。もし雨天でも、施設内を1周するコースを歩けば100メートルほどの距離になるので、歩行トレーニングは全天候型で対応可能です。

もちろんコミュニケーションも重要

―なるほど。リハビリや趣味の活動などの内容は変わりないでしょうか?

そうですね。ロボットと呼ばれる機器を装着してもらい、しびれや麻痺がある方の動きを反復運動により改善を図る「ロボットリハ」などを引き続き行っています。

また職員が考えた課題にチャレンジしてもらう「王座決定戦」も続けています。これは個別に競うことが目的ではなく、知らない方とのコミュニケーションを深めてもらうことが大切です。リハビリテーションという概念を考えると、体を動かすトレーニングだけではなく、やはり人とのつながりも重要になります。

新しいコンセプトを持った施設

ーそれでは最後になりますが、今回初めて至仁会通信を手にされる方向けに「リハビリテーション 道」の概要、さらに今後の目標などを教えていただけますか?

はい。「道」は社会医療福祉法人至仁会が2010(平成22)年に開所した介護保険施設で、現在は1日約100名の方が利用されています。対象者は介護認定の要支援・要介護を受けていて、ご自身でトイレに行ける程度の方になります。

そして10月から、開始時間の変更はなく、ご利用時間を30分延長します。滞在時間が3時間30分となり、現在よりも30分長くなりますが、ご利用料金は変わりません。理学療法士や作業療法などリハビリの専門職が担当する個別リハビリのほか、ご自身の好みに合わせて行ってもらう趣味の活動やグループ体操など多彩なメニューを用意しています。

私たちが目指しているのは、

・お一人おひとりの身体状況に即した

・それぞれの生活環境に合わせた

・安全面に十分配慮した

・人とのつながりを大切にした

「シルバー世代のスポーツジム」というスタイルです。

これまでの老人介護施設的なイメージを変え、介護保険を利用するみなさまが快適にすごせるリハビリ空間になるよう、スタッフ全員で取り組んでいます。また食事の調理スペースも新設され昼食がより美味しくなったので、それも楽しみにしていただければと思います。

―よく分かりました。今回もいろいろお話しいただきありがとうございました!

2021年8月、「よしかわ通所リハビリテーション 道」にて。

脳卒中を知り、予防することが重要

厚生労働省の2020(令和2)年の情報によると、日本人の死因順位の第1位は悪性新生物(腫瘍)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)、第3位は老衰。そして第4位は脳血管疾患であり、いわゆる「脳卒中」です。今回は脳神経外科医の加藤副理事長に、脳卒中について『私たちが知っておくべきこと』を中心にお話しいただきました。

まずは脳卒中の予防を

―今回は脳卒中について教えてください。脳卒中の原因は大きく分けて2つあり、簡単にいうと、脳の血管が詰まるか破れるかです。詰まると「脳梗塞」、破れると「脳出血」「くも膜下出血」という脳の病気になります。

そして「卒中」は、突然起こるという意味ですよね。脳卒中が疑われ圏央所沢病院・脳卒中センターに運ばれてくる患者さんも、すでに脳に損傷がある患者さんがほとんどです。脳は最善の治療を行っても治りにくいため、まずは脳卒中の予防をお願いしたいのです。

脳卒中の危険因子を知る

―なるほど。脳卒中を予防するには、なにをすればよいのでしょうか?今回は脳卒中の危険因子(リスク)を5つほどお伝えします。まずはその5項目に気を付けて生活していただくことが、脳卒中の予防につながります。

【1】高血圧

加齢により血圧が高くなる方は多く、それを抑制するために食生活を見直したり、運動をしたりしますよね。高血圧が気になり病院へ行くと、医師の診断によって血圧を下げる薬が処方されることもあります。なぜなら、高血圧は脳卒中の最大の危険因子になるからです。

【2】糖尿病

糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)が増え続けてしまう病気なので、血管にもさまざまな影響がでます。また糖尿病にはさまざまな合併症があるのですが、そのひとつに「大血管症」というものがあり、脳梗塞や心筋梗塞、末梢動脈疾患、足病変(えそ)などにつながっていく危険性があるので注意が必要です。

【3】脂質異常症

健康診断では血液検査を行いますよね。そのなかで血中脂肪の値、つまりLDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪の値が高め、およびそれらの比率によって脂質異常症が疑われ、脳卒中のリスクにもなります。脂質異常症は遺伝性の場合もありますので、それは別の検査で確認できます。

【4】喫煙と飲酒

まず喫煙は体に良いことはひとつもないと申し上げておきます。タバコに含まれるニコチンにより動脈硬化が起こりやすくなるので、脳卒中の危険因子であるといえます。また、日々お酒を飲む方も注意してください。酒量が増えるにつれて、出血性脳卒中の発症率が高くなるというデータもあります。

【5】心疾患(心臓病)

心臓は血液を体じゅうに送る役目をしているので、心臓が正常でないと脳卒中のリスクも高まります。なかでも「心房細動」は心房に血栓ができやすくなり、それが原因で脳梗塞になるケースも少なくありません。心房細動は不整脈のひとつなので、ご自身の脈が規則的に打っているかを毎日手首でチェックしてみてください。

※首筋の脈は強く押しすぎないように注意

ほかにも、健康診断などで肥満を指摘された方、睡眠時無呼吸症候群の方、腎臓の機能が良くない方は脳卒中のリスクが高めなので、病院で診断を受けて改善を目指してください。

前兆があればすぐ救急車

―つぎに脳卒中の前兆について教えてください。

脳卒中を疑うべき3つのサインがあります。英語で「速い」を意味する「FAST(ファスト)」を頭文字として、ぜひ覚えてください。

「F」はFace(フェイス)で「顔」。歪んでいるように見えたら危険サインです。ご自身でなく、周囲の方がそれに気付くこともあります。

「A」はArm(アーム)で「手」。実は足も同様で、片側の手足に力が入らない場合も危険な状態です。

「S」はSpeech (スピーチ)で「話すこと」。ろれつが回らなかったり、言葉が出てこなかったりする状態も良くないのです。

「T」はTime(タイム)で時間です。遠慮は無用、上記の症状がひとつでもあれば救急車を呼んでください。脳卒中かどうかの判断は救急隊や医師が行いますので、悩む必要はありません。地域の話になりますが、当院がある埼玉西部の救急隊は脳卒中の対応に関しても優秀なので、119番通報をためらわないでください。

明暗を分ける4時間30分

―至急病院へ行くべき理由も教えていただけますか?

脳卒中の場合、一刻も早く治療を開始したいのです。患者さんの症状によって治療法は変わるのですが、脳梗塞の患者さんに対しては「rtーPA治療(血栓溶解療法)」や血管内治療(カテーテル)による「血栓回収療法」を行います。

rt-PA治療前

rt-PA治療後

rtーPA治療は「遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲン・アクチベータ(rtーPA)」という薬を注射し、血管に詰まってしまった血の塊(血栓)を溶かして、血液が流れるようにようにする治療法です。この治療は開始が1秒でも早いほど良好な結果が期待でき、劇的に回復する可能性もありますが、『発症から4時間30分以内でないと行えない』という制約があります。

なぜなら、脳梗塞は発症から4時間30分以上経過すると脳の血管がもろくなり、rtーPA治療を受けることで症状を悪化させてしまう可能性があるからです。そのため、救急車で運ばれてきた患者さんに対して、一刻も早くrtーPA治療が有効かどうかの診察・検査・診断を行う必要があります。

当院では、救急隊から脳梗塞が疑われる患者さんが運ばれるとの連絡を受けた時点で、私たち医師・看護師・放射線技師・薬剤師・臨床検査技師は受け入れ体制を即座に整えて、患者さんを待ちます。またrtーPA治療が無効な場合は、頭の血管にカテーテルを進めて直接血栓を取り除く「血栓回収療法」を積極的に行っています。

治療後のリハビリも大切

―そうなんですね。脳卒中の治療後についてもお話しいただけますか?

私たちはできる限りの治療を行いますが、まひ・しびれなどの後遺症が残ってしまうことがあります。その後遺症に対して、治療後できるだけ早くリハビリテーション(以下、リハビリ)を開始するのがベターです。当院では治療した医師の診断のもと、理学療法士などリハビリ専門職が患者さんに寄り添って行います。

すべての救急病院が脳卒中の治療後すぐにリハビリの対応をできるとは限らないので、別の病院に移ってからリハビリを開始するケースもあります。また、至仁会は数か所のリハビリ施設も運営していますので、長期に渡る後遺症のケアにもスムーズに移行できます。

ー脳卒中は治療で命が助かっても、後遺症があるということも覚えておきたいと思います。

「脳ドック」という予防策も

ーそれでは最後に「脳ドック」についてお伺いします。

当院では24時間脳卒中に対応でき、その治療で使用する最新鋭のCTやDSA(脳血管撮影)装置がありますので、脳の健康状態をチェックすることが可能です。脳卒中発症前に脳の病気を見つけて治療できれば、それに越したことはありません。

脳ドックの受診をおすすめしたい方は、親族に脳梗塞や脳卒中になった人がいる方や、すでに高血圧で薬を飲んでいる方です。また健康な方がどのタイミングで脳ドックを受けるべきか、統一した見解はないのですが、私は45歳あたりの受診を推奨しています。どなたも年を重ねれば、三大疾病といわれる「がん」「心臓病」「脳卒中」のリスクが高まるので、早めに対応して健康寿命を延ばしてほしいと思っています。

―今回は脳卒中に関する重要なポイントを教えていただき、ありがとうございました。

2021年8月、圏央所沢病院にて。

健診で健康維持のモチベーションを高めてもらえれば

圏央所沢病院・健診センター長の後藤昌弘(ごとう・まさひろ)先生にお話を伺い、健康診断や人間ドックに関することだけでなく、個人的なことも教えていただきました。はたしてどのような先生なのでしょうか?

健診に精通している先生

―後藤先生が圏央所沢病院に来られたのはいつごろでしょうか?

2019年からこちらの健診センター長を務めています。前職も北海道札幌市にある健診センターの院長でした。元々は心臓外科医だったのですが、40代半ばに体を壊してしまい、在宅医療の仕事に転向したのです。その流れで、健診の仕事にも関わり始めました。

まずは健康診断の基礎を札幌の施設で学び、その後レントゲンなどの機器を搭載した健診車で稚内や網走まで巡回健診に行く機会もありましたね。また健診業務だけでなく、センターの経営にも携わっていたのですが、還暦を迎えるころに東京と北海道の行き来が体力的に辛くなってきました。

自宅のある西東京市から通勤圏内での仕事を探し始めたとき、圏央所沢病院で健診センター長を募集しており、ご縁がありました。現在は単身赴任の必要がなくなったので、家族と過ごす時間が増え、体調も良好です。

愛犬ラファエル君との1枚

生活習慣を見直すきっかけに

ー圏央所沢病院・健診センターの特長はありますか?

ここは脳神経外科の診療が充実しているので、人間ドック+脳ドックを受けてもらえます。そのほか、たくさんの受診者を一度に引き受けるタイプの健診を行っていないので、問診をじっくりと行えますね。また人間ドックによる生活習慣病やがんの検診もあります。

ご存じのように、健診や人間ドックを受けるだけでは健康にはなれません。私たちの役目は、診断結果を踏まえて適切なアドバイスを行い、必要に応じて生活習慣を見直してもらうことです。何度か受診していただき数値的なものが良くなれば、健康維持のモチベーションが高まりますよね。

―そうですね。どのくらいのタイミングで健診を受ければよいですか?

特に年齢的な目安はないので健康な方は毎年受けなくても大丈夫です。仕事が忙しくて体調が優れない、お酒をよく飲む、20代のときよりも体重が10キロ以上増えた、ご家族に脳梗塞・高血圧・狭心症の方がいるなど、何か思い当たる方は定期的な受診をおすすめします。

人の役に立つ仕事をしたい

ーなるほど。次に先生ご自身のことを教えてください。

1959年5月8日生まれ(亥年・牡牛座)、熊本県菊池市の出身です。昔から米どころとして知られいる地域で、菊池川流域の「七城(しちじょう)のこめ」は美味しいですよ。そこで高校生まで過ごし、順天堂大学医学部に入学するために関東へ来ました。

父が整形外科医だったので、子どものころは診療所の裏に自宅があるという環境で育ち、患者さんのいない時間帯は診療所へ遊びに行くことも。漠然と「人の役に立つ仕事」なのだと感じていたので、私も医者を目指すことにしました。

大学時代は最初の2年間が千葉の習志野、その後は東京の御茶ノ水でした。授業の一環でスキー実習があり、それが面白かったので趣味になりました。大学を卒業して医師になったとき一時的にやめましたが、私の子どもが小さかったころに再開して、家族でたまにスキーへ行っていましたよ。

カナダ・イエローナイフでの1枚 オーロラが写っています!!

ー医師として心臓外科を選ばれたきっかけは何でしょうか?

私が研修医として大学病院に入局したとき、アメリカのプライベートホスピタルで勤めた後に東京都港区の「虎の門病院」で先進的な心臓外科手術を行っていたことで有名な細田教授がいて、その影響があったと思います。また、いくつかの外科や麻酔科で研修した結果、繊細さとダイナミックさの双方が求められる心臓外科に関心を持ちました。

―そうだったのですね。それでは最後にひとことお願いします。

当院は救急患者さんの対応も行っているので、その治療に使用する機器と人間ドックで使用する機器が重なってしまうタイミングで少しお待たせしてしまうことがあります。それは申し訳ないのですが、できるだけ快適に健診を受けられる環境を、より充実させていきたいと思っています。

―本日はいろいろお話いただき、ありがとうございました!2021年7月、圏央所沢病院にて。

デイサービスはご利用者様と地域の「架け橋」

今回は「フィットリハ陽 狭山ヶ丘」の所長である小林さんにお話を伺いました。至仁会通信では、すでに3か所のフィットリハ陽をご紹介しているので「なにか違うの?」と思っている方もいるかもしれませんね。どのような特色があるのか、ぜひ読んでみてください!

今回お話を伺った小林所長

満足感が得られるサービスを提供

―まず「フィットリハ陽 狭山ヶ丘(所沢市)」はどのような施設でしょうか?

午前は地域密着型の通所介護(デイサービス)を行う、所沢市在住の介護認定・要介護の方向けの施設です。午後は介護予防・日常生活支援総合事業に沿ったサービスを提供する、所沢市・入間市在住の介護認定・要支援の方がご利用いただける施設です。

午前も午後もサービス内容はほぼ同じなのですが、午前の方が介護度高めの方が多く、午後の方が介護度低めの方が多いという特徴があり、午前の部は9時から12時まで、午後の部は2時30分から4時までという時間的な差があります。1回ごとの利用の流れとしては、まず送迎車でこちらに来ていただき、到着したら体温や血圧などのバイタルサインを測定、問題がなければ準備運動、そしてマシンを使う個別トレーニングやオリジナルの集団リハビリを行い、帰宅となります。午後は時間が短めなので、グループに分けて、個別トレーニングと集団リハビリを同時進行・入れ替え制にしていますね。

こちら「狭山ヶ丘」と小手指南にある「PLUS」では、有酸素系トレーニングが行える「ニューステップ」や「エアロバイク」などのマシンも導入して、筋力や柔軟性だけでなく持久力も強化しています。もちろん、ご利用者様全員が満足感を得られるような工夫もしていますよ。

「歩行」がトレーニングの中心

―そうなんですね。「狭山ヶ丘」で特に力を入れていることはありますか?

はい。「歩くようになるためのデイサービス」というコンセプトがあって、歩行に力を入れています。ご利用者様が3Dセンサに向かって6メートルほど歩くだけで、速度・歩幅・胸腰部の上下動・足の上がり角度など36項目を数値で表示してくれる「歩行姿勢測定システム」を導入しています。

その測定値は、グラフやイラストなどで見やすく表示され、紙にも印刷できます。3か月に1度の測定結果をご利用者様と一緒に確認できるので、アドバイスもしやすくなります。また「推定歩行年齢」も算出されるので、それが励みになっている方も少なくないですね。

「人の役に立つ」という喜び

さらに集団リハビリでは、食事やお風呂などの日常動作に役立つ運動を取り入れています。身の回りのことを自分でやるのも重要ですが、ご利用者様の「ほかの人の役にも立ちたい」という思いを叶えるための運動も考案しています。

たとえば、要支援または要介護のご利用者様が、家族の洗濯物を取り込んだり、それをたためるようになるだけでも、自分以外の誰かの役にたっているという実感が得られます。それは生きがいにもつながるので、前向きになれると思うのです。

また、最近始めたプログラムのひとつに「近隣のお店へ買い物に行く」というものがあります。初回は数百メートル先のパン屋さんで、好きなパンを購入してもらいました。「久しぶりにお金を使った」「またパン屋さんへ行きたい」という声が聞かれ、大好評でした。

デイサービスを活用してほしい

ーなるほど。買い物は社会参加でもありますよね。それでは最後に、現状の体制やメッセージをお願いします。

「フィットリハ陽 狭山ヶ丘」は現在、午前は平均12名、午後は平均14名ほどでご利用いただいています。スタッフは理学療法士や介護福祉士のほか、リハビリ助手など基本4名体制です。施設見学ご希望の方も送迎いたしますので、お気軽にお問合せください。私たちは「ご利用者様と地域の架け橋になること」がデイサービスの重要な役割のひとつだと考えています。コミュニケーションが苦手な方も、狭山ヶ丘エリアに馴染んで楽しく過ごすために、私たちを活用してください。できる限りのお手伝いをします!―いろいろお話いただき、ありがとうございました。2021年7月、フィットリハ陽 狭山ヶ丘にて。

安心できる病院であり続けるために尽力

圏央所沢病院の神谷剛司(かみや・たかし)副院長にお話を伺いました。落ち着いていて、穏やかなの印象の先生です。はたして、どのような先生なのでしょうか?

外科も内科も経験豊富

―まず先生のご専門を教えていただけますか元々は消化器系の外科医だったのですが、その後は総合診療内科、現在は内科におります。圏央所沢病院には外科の手術を専門とする常勤医師がいないので、非常勤の医師と一緒に、鼠径ヘルニアや虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術、胆のう摘出手術、腹腔鏡手術などの中小手術も担当しています。

ーどのようなきっかけで圏央所沢病院に来られたのでしょうか?至仁会通信13号で紹介されていた加藤副理事長は、防衛医科大学校の同級生です。私が別の病院へ移ろうと考えていた時期に、圏央所沢病院の院長を勤めていた加藤先生に声をかけてもらったので、2011年にこちらへ来ました。

防衛医大の同級生の皆さん(下段左から2番目が神谷先生・下段真ん中が梅田先生・下段右が加藤先生)

ー圏央所沢病院で、すでに10年過ごされたということですね。

はい。こちらは懐の深い病院なので、安心して医者の仕事に取り組めます。また民間病院は、何か軸を決めてやっていかないと経営が難しいと思うのですが、圏央所沢病院には脳神経外科と整形外科という大黒柱があるので、現在の私には後方支援的な役割りも求められていると思います。

学生時代は体育会系!

ーなるほど。次に出身地や学生時代のことなどを教えてください。

私は1960年6月6日生まれ(子年、ふたご座)、大阪府大阪市出身です。地元の小・中・高に通っていました。小学生のときは、母親が私のダイエット目的で通わせた水泳に励んでいた時期が長かったですね。中学・高校では「身長が伸びたらいいな」ということでバレーボールをやっていました(笑)。中学校のバレーボール部は、私たちが入学したときに同好会的に始めたのですが、メンバーにも恵まれて、3年生のときには大阪市で優勝できるレベルにまでなりましたよ。高校でもバレーボールに熱中していたのですが、2年生のときに兄が交通事故に遭い、一時期生死の境をさまよう状態になりました。兄はしばらく入院していたので、よくお見舞いに行っていたんですね。ちょうどその時期に「白い巨塔」がテレビドラマ化されて、それもあってか「医者になろう」と思ったのです。

ーリアルな医師とドラマの医師、ダブルで影響を受けたということですね。

そうですね。そのドラマの舞台でもあった大阪大学の医学部を目指しました(笑)。一浪して勉強した結果、防衛医科大学校に合格したので、大阪から所沢へやってきました。私が在籍していたときも校則は厳しくて、学外で過ごす時間は少なく、学内でラグビー三昧でした。

ラグビー部所属時代 一番高身長が神谷先生!!

心臓・呼吸器・消化器、3つの外科の研修期間を終えて、初めて赴任した病院は青森県むつ市にある自衛隊大湊病院でした。その後は再び大学病院、次に神奈川県の自衛隊横須賀病院の勤務を経て自衛官を退職。さらに所沢市や入間市の病院で勤務医や院長を勤めていた時期もあります。

ーそうですか。休日はどのように過ごされますか?

青森では妻や子どもたちも一緒だったので、官舎の裏にある小さなスキー場へ行ったり、青森の温泉や北海道などへドライブに行ったりしましたね。2人いる子どものうち、長女はすでに結婚しており、先日孫が生まれました。現在は、20年ほど生活していた清瀬市のマンションを離れ、所沢市内に建てた一軒家で生活しています。家にいるのが快適で、あまり外出せず映画鑑賞や晩酌を楽しんでいますよ。最近見たものでは「エンド・オブ・ホワイトハウス」や「エンド・オブ・キングダム」「エンド・オブ・ステイツ」など、イギリス人俳優のジェラルド・バトラーの映画が面白かったかな。

変化なくして安定は求められない

―それでは最後に、今後について一言お願いします。

患者さんはもちろんのこと、私たち働く側にとっても居心地が良い病院であり続けるために尽力したいと思っています。若い人たちが長く働き続けられる病院にするには、同じことをしているだけでは不十分で、医師以外の医療スタッフのモチベーションを上げるための活動も、積極的に取り組んでいきます。

―本日はいろいろお話いただき、ありがとうございました!

2021年6月、圏央所沢病院にて。

至仁会の組織力で地域の介護福祉に貢献!

社会医療法人至仁会は、さまざまな形で介護やリハビリのサービスを提供しています。そこで今回は、介護事業部の杉浦部長にお話いただきました。事業紹介のほか、理学療法士というお仕事や最近叶った夢についても伺えました!

今回お話を伺った杉浦部長

グループ内の介護事業をつなぐ

―至仁会の介護事業部では何をされていますか?

圏央所沢病院は24時間救急患者にも対応できる急性期病院です。適切な治療を行っても、脳卒中や骨折などの後遺症が残ってしまう方がいます。そのような方々の退院後のケアやリハビリを継続的に行うという目的から、介護事業部はスタートしています。

この至仁会通信でも、介護老人保健施設「遊(ゆう)」のほか、通所リハビリテーション「道」「緑」、「フィットリハ陽」、居宅介護支援サービスなどが紹介されていますよね。介護事業部は、病院や施設の責任者・所長などが兼任している部門になり、私はそのまとめ役です。

介護事業部のみなさん

―そうなんですね。それはいつ頃から始まったのですか?

至仁会が本格的に介護事業を始めたのは、2010(平成22)年12月に開設した「道」からです。その約1年半後に「遊」、さらに1年後に「フィットリハ陽(豊岡)」と施設が増えていったので、10年くらい前からということになります。

現在、至仁会グループの介護系職員は250名ほど、リハビリ系職員は160名ほどになり、所沢近辺では最大級の規模です。組織が大きくなると、スタッフは普段働いている施設だけに視点がいき、横のつながりが希薄になります。そこで自分のような存在が必要とされるのではないかと考えています。

理学療法士という仕事について

―なるほど。杉浦さんご自身は、いつから至仁会と関わりがあるのでしょうか?2002(平成14)年からです。「道」が開設される前の吉川病院の頃に、院内の理学療法士(リハビリ担当者)として職員になりました。「道」の立ち上げには関わったのですが、そこでは仕事をせず圏央所沢病院に異動しました。

―ところで、杉浦さんはなぜ理学療法士になられたのでしょうか?

私は4人兄弟姉妹の末っ子なんです。ちなみに兄・姉は薬剤師・看護師・ケアマネージャーで、みんな医療介護系の仕事をしています。そして私も歯科技工士または臨床検査技師を目指そうとしたのですが、上から3番目の姉に「理学療法士にしたら」と言われたので、そうしました(笑)

資格取得後、最初の5年間は実家がある東京都調布市にいて、町田市にあるリハビリで有名な病院で働きました。ふと転職を考えていたときに、吉川病院の「理学療法士募集」の広告を見て応募し、採用されました。その後、至仁会から出ることなく今に至ります。

理学療法士の養成校の同期の皆さん

―お姉さんの見立て通り、理学療法士が向いていたということですね(笑)仕事のやりがいはどんなところでしょうか?

リハビリを受ける患者・利用者さんと一緒に喜びあえることです。長い時間一緒にいるので、感情移入しやすいのかもしれません。またリハビリによって歩けるようになるなど、成果がでたときは感謝の言葉をいただけるので、それは仕事のやりがいにつながります。

―逆に大変なことは?

患者・利用者さんが懸命にリハビリをしても成果がでないときは、自分のふがいなさを感じます。またリハビリは長く続けていただくケースがほとんどなので、やる気をアップしてもらえるようなコミュニケーションも大切にしています。

「三方よし」の社会医療法人に

―なるほど。最近うれしかったことはありますか?

実は、子どもの頃から「犬を飼うこと」が夢だったんです。実家にいたときも、結婚して家庭を持った後もしばし実現できなかったのですが、現在「遊」にいるセラピー犬「ライク」の里親を頼まれたことがきっかけで、ひとつ夢が叶いました!

ラブ(左)とライク(右)

ーそれはラッキーでしたね!それでは最後に、介護事業部の今後について一言お願いします。

「いい病院だ」「いい施設だ」という評価はとても嬉しいのですが、至仁会グループとしてのブランド力をより高めていければと思っています。近江商人の心得として知られる「三方よし」という言葉がありますよね。それにちなんで「働く側に良し、ご利用者様に良し、世間に良し」という状況、つまり働きやすい組織、ベストなサービスを提供、地域にも貢献という状態を目指したいです。

―よくわかりました。いろいろお話いただき、ありがとうございました。

2021年6月「介護老人保健施設 遊」にて。

運動を習慣化するコツがつかめます!

リハビリ型のデイサービス施設「フィットリハ陽」は現在5か所あり、至仁会通信の8号では「豊岡(入間市)」、15号では「PLUS(所沢市)」をご紹介しました。今回は同施設紹介の3か所目「富士見(狭山市)」です。所長の新保さんにお話を伺いました。

今回お話を伺った新保さん

定期的な運動+コミュニケーション

―以前に至仁会通信で2回「フィットリハ陽」をご紹介しているので、どんな施設なのかご存じの方もいらっしゃるのですが、簡単に施設の概要を教えてください。

当施設は「理学療法士が考え、介護予防を意識したリハビリ」を行う場所です。これまでに紹介された「豊岡」や「PLUS」は、基本的に介護認定・要支援の方が利用する施設になり、こちら「富士見」と「狭山ヶ丘(所沢市)」は介護認定・要介護の方も利用できます。1回の利用の流れとしては、まず送迎車がご自宅へ伺い、施設に到着したら体温や血圧などのバイタルサインを測定します。問題がなければ準備運動、マシンなどを使用する個別トレーニング、集団リハビリを行います。もちろん帰りも送迎車でお送りします。

■ 少人数制・短時間

■充実したトレーニングマシン

■介護予防に携わってきたスタッフ

という特徴が挙げられます。

―利用者さんの体の状態や生活環境を考慮したプログラムを、お一人おひとりに提供しているんですよね。

はい。コロナ禍なので、お花見や買い物など「外出リハビリ」は行っていませんが、コミュニケーションも大切にしています。黙々と行うトレーニングが苦手な方も少なくないのですが、スタッフを介してご利用者様同士の交流も楽しみながらリハビリを行えれば、さまざまな相乗効果も期待できるからです。

―なるほど。コロナ禍で外出の機会が減っている方がほとんどで、特に一人暮らしの方にとっては貴重な時間になりますよね。

要介護・要支援の方に合わせたリハビリ

―「富士見」には要介護の利用者さんもいるとの事でしたが、要支援の方と一緒にリハビリを行うのでしょうか?

午前の約3時間は主に要介護の方にご利用いただき、午後の約2時間(コロナ禍は感染リスクを考慮して約1時間半)は主に要支援の方にご利用いただいています。リハビリの流れはほぼ同じなのですが、午前の部では動作の間隔を長めに取りながら、安心して運動してもらえるように心がけています。

半年ほど通っていただくと、運動が習慣になり筋力が付き、片足立ちができるようになる方もいます。長期間通い体力維持を目標にされる方も、短期間で身体能力の回復を目指す方もいて、10名くらい施設を卒業する方がいた年もあります。

―それはすごいですね。そして施設内には、フィットネスジムでも見かけるようなマシンが並んでいますね。

はい。使用するマシンや負荷量は、個人個人に合わせてスタッフがメニューを作成します。また集団リハでは、平行棒を利用して階段の上り下りも含めた歩行練習、バランスボールを使った筋トレなどを行います。

なかでも「キネシス」というマシンは、筋力・バランス・柔軟性を総合的に高めていくことができ、日常生活に即した運動がしやすいです。とても有名な野球選手が、ご自宅でのトレーニングに使っているという話を聞いたことがあります。

―一般の方がご自宅で使用するのは難しそうですが、ここでなら安心ですね。

狭山市在住の方、ご相談ください!

ーそれでは最後に、現状の体制やメッセージなどをお願いします。

現在「フィットリハ陽 富士見」は、狭山市内在住の要介護・要支援の方を対象として、午前も午後も平均10名ほど、多めの日は15名前後でご利用いただいています。スタッフは理学療法士や介護福祉士のほか、リハビリ助手など基本4名以上の体制です。

ご利用者様の平均年齢は80歳くらいで、和気あいあいとした雰囲気です。当施設に興味があり、まだ介護認定をお持ちでない方は、まず市役所や地域包括支援センターにご相談ください。当施設見学の際は車で送迎しますので、お気軽にご連絡ください。

―いろいろ教えていただき、ありがとうございました!

2021年5月、フィットリハ陽 富士見にて。

地域社会で信頼される、介護と日本語の教育を。

2020年10月、所沢市若狭で開校した「所沢日本語学校」は、社会医療法人至仁会が設立した「介護職員を目指す外国人のための日本語学校」です。どのような学校なのか、長年日本語教育や学校開設に携わっている椛山(かばやま)校長にお話を伺いました。

お話を伺った椛山校長先生

日本で介護職に就く外国人のための学校

―「所沢日本語学校」は、至仁会通信11号でご紹介した「V&J Human Resource School(ベトナムにある介護と日本語の学校)」の姉妹校的な学校だと伺っています。

はい。現在は本校で学生を募っているのではなく、「Ⅴ&J」で6~8カ月間、日本の介護と語学を勉強した学生の留学先として運営しています。11名が在籍して熱心に学んでいるのですが、新型コロナウイルスの影響で11名ほど来日できない状況にあります。

一般的な「日本語学校」は、日本の大学や専門学校などへの進学を目指す外国人が語学を中心に勉強するところなのですが、本校は日本で介護を担ってくれる人材を育て、社会貢献も目指しています。運営母体が、地域に根差した信頼性の厚い社会医療法人ならではの特色でしょう。

―そうでしたよね。ほかの特長もぜひ教えてください。

「所沢日本語学校」は法務省が認可した「告示校」の一校であり、厳しい審査を通過しています。年間760時間以上授業を行うという規定があるのですが、本校では900時間近くの授業を行い、日本の文化に触れるような教育プログラムを組みました。また、学生たちが異国で安心して生活できるよう全寮制や奨学金制度を活用できるようにして、地域密着型の学校を目指しています。

学校と地域社会で育てたい

―具体的に、地域社会とはどのような形で関わっていきますか?

まず介護職に就くという目的があるので、至仁会が運営する病院や介護老人保健施設を訪問して現場でも学んでいます。今後、近隣の保育園・幼稚園・小学校とのコラボレーションも実施したいのですが、残念ながらコロナ禍で実現できていません。

そのほか所沢市の教育委員会や社会福祉協議会、ボランティアセンター、学生寮や学校がある地域の町内会の方々にもご挨拶しており、学生たちが地域のみなさんと関わりが持てるよう積極的に活動していきます。

愛情をもって教育する

―なるほど。次に介護の人材を国外にも求める状況について教えていただけますか?

ご存じのように日本の高齢化率は現在3割近く、この先その率はさらに高くなります。一方、介護職に就きたいと考える若者は少なく、勤務後3年以内に離職する介護職員は約75%であり、彼らの待遇を改善すべきなのですが、すでに人材不足です。

所沢市の介護系施設数を調べたところ、現在18カ所の特別養護老人ホーム、8カ所の介護老人保健施設をはじめ97カ所以上の施設があるのですが、多くの施設で定員の2倍以上の待機者がいるという状態で、近隣の市には定員の7倍の待機者がいる施設もあるのです。

―数字を見ると、かなり厳しい状況なのだとわかりますね。

はい。「所沢日本語学校」の存在意義をご理解いただき、そこで勉強して近い将来に日本で介護に従事してくれる学生たちを、単なる労働力としてみなすのではなく、地域のみなさんにも温かく迎え入れてほしいと思っています。私たちスタッフは、日本語ができる介護人材をただ育成するだけでなく、お正月・節分・七夕などの日本的な行事を一緒に楽しみ、生活における悩みなどにも耳を傾け、その上で時間厳守など日本社会のルールや礼儀を伝えていきたいです。

留学生から学べるものも大きい

―私たちの生活は、多くの外国人労働者に支えられているという事実を忘れないようにしたいですね。それでは最後にメッセージをお願いします。

私は韓国・釜山の大学で学部・学科の開設や日本語教育のプロジェクト、東京にある大規模な日本語学校の開校や専門学校のコース開設などに関わってきました。微力ですが、これまでの経験を活かしながら地域貢献できるチャンスだと思っています。教職員も外部の研修などに積極的に参加して、さらにスキルを高めていければ良いですね。

ベトナムの留学生たちは、近年日本人が核家族化で失いつつある大切なものを、まだしっかりと受け継いでいるので、私たちが彼らから学ぶべきところも大いにあるのです。そのような気持ちで接すれば、彼らも私たちに寄り添ってくれるのではないかと思います。―本日はいろいろお話しいただき、ありがとうございました。

2021年5月、所沢日本語学校にて。

適正な医療を確実に行い、信頼される病院に

2009年から数年間は圏央所沢病院の医長として、2018年からは脳神経外科センター長として活躍している石原 秀章(いしはら・ひであき)先生にお話を伺いました。インタビューを読んでいただくと、先生の人柄が感じられると思います。

石原先生

多彩な経験を持つ脳神経外科医

―まず、石原先生はなぜ医師になろうと思ったのでしょうか?

私は群馬県伊勢崎市で伸び伸びと育ちました。開業医である親戚の叔父が祖母を往診する姿をみて、あこがれていたのが医師になるきっかけです。そして高校時代の不規則な生活により一浪したので、規律が厳しい防衛医科大学を目指して入学・卒業しました。医学生の時からカテーテル治療に興味があったので「循環器内科」か「脳外科」か迷いましたが、脳外科の雰囲気が合っていると感じたのでそちらに入局。そこで、現在至仁会副理事長の加藤先生に開頭手術を指導していただきました。

ーそうなんですね。その後はどのような経験をされてきたのでしょうか?

専門研修を終えてから、当時、埼玉医大国際医療センター・脳血管内治療科教授だった石原正一郎先生に師事し、同大学内で脳血管内治療を起ち上げるために自衛隊を退職しました。石原先生は同じ苗字なのですが、親戚ではありません(笑)。そして、2009年に圏央所沢病院で血管内治療を起ち上げるということで、2年ほど常勤医師として派遣されました。優秀なスタッフにも恵まれたおかげで、順調に症例数や成績を伸ばすことができたのです。

ー圏央所沢病院に初めて関わられたのがその時ということですね。その後、留学されたと伺いました。はい。2011年に米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校に1年ほど留学しました。そこでは「フローダイバーターステント治療」というものが始まった時期で、ほかにも日本では珍しい治療や手技を数多く見学できました。帰国してからは、外勤医として圏央所沢病院に週1回半日勤務していた時期もあり、群馬県の黒沢病院・脳卒中センターの開設に派遣され脳血管内治療科の部長を務めていた時期もありました。黒沢病院は実家から近いので、そこが永久就職先になるのかなと思っておりましたが、2018年より再び圏央所沢病院に縁があり、現在に至ります。

アクティブな旅行でリフレッシュ

ーなるほど。次に先生個人のことや趣味などを教えてください。

私は1974年1月8日生まれ(寅年・やぎ座)です。学生の頃は卓球部や野球部に所属していましたね。旅行先でも泳いだり山に登ったり体を動かすのが好きです。医師になってからも、たまにスキーなどに出かけます。留学でロサンゼルスにいた時にはグランド・キャニオン国立公園なども訪れ、カリフォルニアの美味しいワインなども楽しみました。脳神経外科医は仕事柄、時間を拘束されることが多いのですが、できるだけリフレッシュするようにしていますよ。

ご家族との一枚

ー心身ともに健康であることは大切ですよね。現在の職場はいかがですか?

一番良いと感じているのは「患者最優先」の理念で、目先の利益にとらわれず最善の治療ができることです。すべての病院に経済的な事情があるのは承知していますが、無駄だとわかっている治療はすべきではありません。また明るく勉強熱心なスタッフが多いと思います。患者さんが少ないときは勉強しており、患者さんが多い時は生き生きと働き、プラス思考の方が多いですね。さらに院内では回復期リハビリが盛んなので、患者さんと良い関係が築かれているように感じます。

すべては患者さんのための医療

―それは良いお話ですね。最後に、今後の目標などはありますか?

そうですね。脳卒中の発症から4時間半を超えている、またはアルテプラーゼ点滴療法などが適用できない患者さんに対して、24時間以内に行える血栓回収療法のセンターを立ち上げようとしています。それによって救える命が増えるからです。またコロナ禍で中止されている勉強会を、主治医からのプレゼンテーションを中心に行う形や資料配布型にして、スタッフの教育やコミュニケーション不足、病棟内の問題点を解決していきたいと思っています。利益相反や名声、研究のために不必要な医療が過剰になりやすい時代ですが、この病院を信頼してくれる患者さんのために、適正な医療を確実に行い愛される病院を目指していきます。

―本日はいろいろお話いただき、ありがとうございました!

2021年4月、圏央所沢病院にて。

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。

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