患者さんの回復を支えることで、命の尊さに触れる

患者さんの回復を支えることで、命の尊さに触れる

退院を目指し、病状の回復を図る病棟

―まず、回復期リハビリテーション病棟について教えてください。

―脳血管疾患の治療や、整形外科の術後などに、在宅復帰や職場復帰するためのリハビリを行う病棟です。当院は救急病院で、脳卒中センターを併設しているということもあり、院内の急性期一般病棟から移動してこられる患者さまがほぼ100パーセントという状態になっています。

回復期リハビリテーション病棟は、厚生労働省により入院対象者と期間が定められています。入院期間に関しては最長180日で、全国平均は約72日です。当病棟の平均日数は50日前後なので、全国平均よりも少し短いですね。

―平均日数が少ない理由はありますか?

―急性期一般病棟で患者さまの治療や手術を担当した医師が、当病棟でも担当医であり、院内の看護師同士で引き継ぎを行っているので、病棟間の移動がスムーズであることが一因でしょうか。さらに、患者さまが「自分の病状などを理解している人たちが診察や看護をしている」と感じられれば、安心感につながると思います。

真摯に患者と向き合うことが重要

―つぎに、病床数やスタッフについて教えてください。

―当病棟には55床あり、日中は6〜7人の看護師と、8人くらいの介護担当者で稼働しています。1人の患者さまに対して、1人の医師・看護師・リハビリ専門職員・介護担当者が責任を持ち、カンファレンスなどで日々情報を共有し、治療やリハビリの方針を決めています。

看護師の仕事は「診療補助」と「療養上の世話」に大きく分けることができるのですが、当病棟では後者がメインです。病棟にて患者さまの生活のお世話をしながら、体調等を観察し、必要に応じて医師や薬剤師、ソーシャルワーカーやご家族とコミュニケーションを取り、さまざまな対応をしていきます。

―回復期の看護とは?

―急性期一般病棟の看護を担当していた時は、その性質上、医師の指示による点滴や注射などの医療行為が多めでした。その後、回復期の病棟を担当するようになり、看護師が主体となって進める仕事が増えるにつれ、看護の力や知識などをより生かせるようになっていきました。そんななかで、患者さまが回復していくことが仕事のやりがいとなり、人間の回復力に感動するようにもなりました。

また、回復期の病棟に移動してこられた患者さまは、ご自身の現状に向き合い、退院後の生活なども考えるようにもなり、不安になってしまいます。その感情を、言葉で看護師にぶつける方もいます。それを受け止める、生きていくことを支えるのも私たちの重要な役割。こちらの病棟では、患者さま一人ひとりとの信頼関係を築くことが大切です。

心身ともに回復できるよう、支える

―新人の看護師さんには、それをどのような形で伝えるのですか?

―当病棟には高齢の患者さまが多いということもあり、55人のうち、ご自身でトイレに行ける患者さまは、だいたい5人くらいです。つまり、約9割の患者さまは、多様な生活動作に補助が必要な状態なのです。そのため、1日約600回のナースコールがあり、介護担当者と協力しながら、患者さまの院内での生活を支えています。

新人の看護師には、そのナースコールに「どうしましたか?」ではなく、「すぐに伺います!」と対応をするようにしてもらっています。サポートが必要だから呼ばれるのであって、駆けつけて安心していただくのが第一。また、患者さまが羞恥心を感じたり、自己嫌悪に陥ってしまうような対応はしないように気をつけてもらっています。

―なるほど。最後に、今後の抱負などをお聞かせください。

―看護師だけでなく、他職種のスタッフのモチベーションアップも図っていきたいと考えています。介護担当者を例に挙げると、担当する仕事の幅を現在よりも広げ、介護福祉士という国家資格を持っている方の待遇が向上する仕組みを整えていきたいですね。そういったことにより、病棟全体がより良くなるはずだからです。

―いろいろお話しいただき、ありがとうございました!

2023年5月、圏央所沢病院にて。

RECRUIT

  • やりたいことがそこにある。
    なりたい自分がそこにいる。

  • 5年後の自分を、10年後の自分を想像できるか?
    今やるべきことを、しっかりと、一歩づつ。

  • 稼ぐためにではなく、
    学ぶために働く。

  • 欠点に目を背けるか、
    弱点を「強み」に変えるのか。

  • 失敗しない道を選ぶのか、
    失敗から何かを学べるか。