一期一会の精神で外来患者さんに接する
圏央所沢病院の外来は、一般外来と救急外来に分けられます。一般外来では、かかりつけの患者さまや体の不調を感じて来られる方を、受付を通して診療しています。救急外来では、救急車で運ばれてくる患者さまや夜間の緊急診療を行っています。今回は、外来の看護師長である庭田さんにお話を伺いました。
地域住民が利用しやすい外来
―まず圏央所沢病院の外来の特徴を教えてください。
―当院には現在、内科(循環器科)、脳神経外科、整形外科を柱としてさまざまな診療科があります。そして土・日曜日も診療を行っており、地域の皆さまが曜日を問わず利用しやすいのが特徴です。そのほか、高精度MRIやCTは2台あり、緊急検査が必要な患者さまに24時間対応できる体制になっています。
当院は、前身の吉川病院が新築移転して圏央所沢病院となり、今年15年目です。現在は地域の方々を中心に1日300人を超える患者さまが外来で受診されているので、待ち時間が長くならないように多様な工夫をしています。また2023年の救急車受け入れ件数は約2千7百件で、埼玉県西部(所沢市・飯能市・狭山市・入間市・日高市)の病院では5番目に多い数字です。
―昼夜問わず救急の受け入れも多いのですね。
―はい。当院では脳神経外科と内科の医師が当直を勤めており、「救急はすべて受け入れる」という方針のもとスタッフ一同努力しています。また、当院は埼玉県急性期脳卒中治療ネットワーク(SSN)の基幹病院であり、脳卒中疑いの救急搬送を迅速に受け入れていることも理由のひとつになります。急性脳梗塞の場合は少しでも早く治療を開始することが重要なのです。
内外の人々と連携が必須
―つぎに外来の人的な体制を教えてください。
―現在、外来の看護師は25人、診療クラークは15人です。診療では医師のほか、その補助を行うクラークや、医療行為を担当する看護師などが連携して患者さまに対応します。また看護師は診療科に属していないので、内科の看護師、外科の看護師などの区別なくその日の担当業務を行う形です。
外来の看護師業務を簡単にご紹介すると、まず処置室担当は、患者さまの全身状態観察に始まり、診断後の点滴、入院の準備などを行います。つぎにブース担当は、主に外科の患者さまを担当し、傷の処置や骨折した部位の固定などを行います。さらに内視鏡担当もおり、胃カメラや大腸カメラを使う検査などに関わります。
そして救急担当の看護師は、基本的に救急車で運ばれてくる方や緊急治療を要する夜間外来の対応になるので、重症患者さまが多めとなります。心肺停止の方や、脳卒中の方をはじめさまざまな疾患に迅速に対応する必要があるので、こちらの業務は一定の経験を積んでから担当します。
―なるほど。救急隊員との連携も必要になってきますね。
―そうなのです。1分1秒を争う治療や手術が必要な患者さまもいますので、救急隊員の方と連携を密にして初療にあたっており、定期的に勉強会やシュミレーショントレーニングも行っています。そのほか、当院の診療科では対応しきれない病状の方には、地域連携室を通してほかの病院や近隣のクリニックをご紹介することもありますし、ご自宅での療養を望まれる方に訪問看護をご紹介するケースもあります。
当法人が運営する介護老人施設や老人ホームなどで体調が悪くなった方が病院へ来られる場合はまず外来での診療になるので、施設スタッフとやりとりすることがよくあります。また、外来の患者さまが入院することになると病棟看護師への情報伝達などが必要になりますので、法人内や院内でのコミュニケーションも欠かせません。
頼れる病院であるために
―最後に外来からのメッセージをお願いします。
―当院は地域の皆さまに信頼され選ばれる病院を目指し、外来では定期的に通院される方や、退院後の方などが安心して療養できるようにサポートしています。また、体の不調を感じた時に、すぐに受診できるような環境づくりにも力を入れています。
私たち看護師が外来患者さまに関われる時間は短いので、その時間を大切にしています。具体的には、患者さまの様子をしっかりと診て、きちんとお話を伺って、親身になって対応するということです。一期一会の気持ちを大切にして、今後もいざというときに頼れる病院であるためにベストを尽くします。
―本日はいろいろお話しいただき、ありがとうございました。
2024年5月、圏央所沢病院にて。